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2007年08月01日

S.T.A.L.K.E.R.:Shadow of Chernobyl(PC) クリア後レビュー(ほぼネタバレなし)


ウクライナ製FPS。発表から完成までに6年以上かかったという、良くも悪くも話題になったゲームです。

86年の事故のあと、2006年に再び爆発事故が起き、あたりに高濃度汚染区域、「ZONE」が発生して立ち入りが禁止されたチェルノブイリ。
しかしZONEには通常では存在しない性質を持った未知の物質、アーティファクトが発生するようになり、軍の監視の目を逃れてそれらを盗掘、売却するストーカーと呼ばれる人々が現れるようになった。
そんな中、汚染中心地から来た「死のトラック」の唯一の生き残りである主人公「Marked one(腕に「S.T.A.L.K.E.R.の入れ墨がある)」は、失われた記憶の唯一の手がかり、持っていたPDAに記された「Strelokを殺せ」という指令を元に、ZONEをさまよっていくことになる……。

まあストーリーはそんな感じ。システムとしては自由度が高めな作りで、メインのストーリーを進めるクエストと、寄り道的なサブクエストを受けながら徐々に核心に迫っていくというタイプ。
まずは何より、この過酷な環境のなかで生き延びていかないといけないということで、武装などを整えていくのが重要課題。何しろ最初にもらえる拳銃では集弾率がかなり悪く、4~5mに近づかないとまともに当たらない上に弾倉には8発しか入らない有様。着ている服にしても、放射線防護もなければ防弾性能も期待できないので、それらを何とかしないことには、とても危険地帯には踏み込めません。
一応店のようなものもあって、そこで多少買い物も出来るのですが、基本的には現地調達。倒した相手の荷物をあさって弾薬や武器を入手し、敵のキャンプから質の良いアーマーを奪取するといった塩梅。しかもその上、持てる荷物の重量上限もシビアで、すぐに動けなくなってしまうというおまけまでついて、本当に生き延びるのが難しいゲームになっています。まあ、その分、装備が充実して行くにつれての喜びや実感もひとしおなんですが。

グラフィックについては、かなり美しい部類にはいると思われます。放棄されて廃墟となった村々の陰鬱な様子や、実験施設などの不気味さ、放射能汚染地帯に近づくと視界にノイズがかかり、不自然に明るくなっていったりと、演出も含めた画像表現は、真に迫った雰囲気作りに貢献していると思います。
また、それに合わせて、BGMを廃した効果音や環境音も、自然の音や耳鳴り、ガイガーカウンターの耳障りな音やラップ音など、画面と相まって没入感を高めてくれます。

敵AIについても、元々は全ての生態系をAIで表現することを目指していたためか、それは実現できなかったものの、スクリプト的な動きではなく、自分で考えているかのような動きをしているらしいです。そのあたりはあまりFPS経験がないので何とも言えないんですが、手分けして障害物を回り込んできたり、逆にこちらが物陰に隠れて動いたのに気がつかなかったりとか、そういう自然な動きをしているとのことです。


欠点としては、日本語化されていないこと、また、難易度が非常に高いことが挙げられます。
ただ、日本語化に関しては、有志による日本語化プロジェクトがかなりの段階まで進んでおり、MOD(外部改造データのようなもの)で日本語化が可能ですし、難易度に関しても、少なくとも重量制限を緩和するMODが出ていたりと、ある程度の解決は可能です。自分もそれらと一番下の難易度、クイックセーブとロードを駆使して、初めてPCでプレイするFPSですが何とか最後までクリアできました。


廃墟や飛び交うロシア語、超常現象やミュータントや、さっぱり当たらない銃などのディストピア的な雰囲気を味わいたいなら是非。
来年あたりに前日譚を扱った続編、「クリアースカイ」が出るらしいので、そちらも楽しみ。


公式サイト
まとめや日本語化などの総合ページ

投稿者 だいすけ : 2007年08月01日 16:23 ゲーム /ゲームレビュー /輸入ゲーム /PC

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