2005年01月04日

ベルヴィル・ランデブー(ややネタバレ)レビュー

観ようと思って忘れていた「ベルヴィル・ランデブー」を観てきました。
新宿のテアトルタイムズスクウェアにて。ここで観るのは2回目だったかな。劇場みたいに、客席にすごい角度がついてます。というか劇場としても使うのかな。

フランスのアニメで、独特の絵柄と、極端にデフォルメされたキャラクターが特徴。
ストーリーもかなりシュールで、ブラックなテイストもけっこう見え隠れ。隣のカップルの女子はけっこう引いてたような(笑)。


二人暮らしの祖母と少年。自閉気味の少年が唯一興味を示したのは、自転車だった。
それから月日が経ち、自転車選手とそのコーチとしてツール・ド・フランスに出場した祖母と青年は、不可解な事件に巻き込まれる。

んー、ストーリーを説明しても全然内容は伝わらないんですが。
とにかくキャラクターの描写が独特で、青年はマシンのように無表情で、体つきは生まれたての鳥の雛のよう。足だけが筋肉隆々で、けっこうグロテスク。主人公はむしろ祖母の方で、その静かなパワフルさには圧倒されます。

極端に誇張された背景、キャラクター、異様なこだわりを持って描かれるまずそうな食事、スイングっぽい音楽が渾然一体となって独特の魅力を放っています。

だいすけ評価:7/10(背景と音楽は8点。シュールさで-1)


映画「ベルヴィル・ランデブー」オフィシャルサイト
http://www.klockworx.com/belleville/


帰り道サントラを買おうかと思ってHMVに寄ったら、CCCDだったので断念。家に帰ってamazonでイギリス版を注文しました。

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2005年01月03日

ツインズ・エフェクト(ややネタバレ)レビュー

香港のアイドルグループ、「twins」主演のアクション映画。
凄腕ヴァンパイアハンター、リーヴは相棒を失い、新たに新人のジプシーを助手に取る。一方リーヴの妹、ヘレンはヴァンパイアとは知らずに王子カザフと恋に落ちる。

あまり調べないでジャケ借りしたのだけど、どうも双子の美少女が剣劇するアクションではなくて、ツインズというアイドルを売り出すためのちょっと頑張ったプロモ映画という感じで、だるいアクション、メリハリのないストーリーを見せられるハメに。
友情出演でジャッキー・チェンが出ているのだけど、それほど出てない割には(エグゼクティブ・デシジョンのセガールよりは出てる程度)、そのシーンですっかりジャッキーに食われちゃった印象。まあ、そのジャッキー部分で良しとしますか。

だいすけ評価は6/10(ジャッキー抜きなら4/10)。

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2004年12月15日

Mr.インクレディブル(ややネタバレ)レビュー

「アイアン・ジャイアント」のブラッド・バード監督作品。

訴訟社会の影響を受け、スーパーヒーローとしての活動を禁止されたヒーロー達。
コスチュームからスーツに着替え、普通の市民としての生活を送っていたかつての「Mr.インクレディブル」ことボブ・パーは、自らの正義の心とパワーをもてあましていた。
そんなある日、謎のエージェントからスーパーヒーローとしての依頼を受けたボブは、密かにスーパーヒーローとしての活動を再開するが……。


いわゆるアメコミ世界のIF未来を描く映画です。
証人保護プログラムならぬ、ヒーロー保護プログラムで身元を偽り、結婚して(妻も元ヒーロー)子供と暮らすうちに腹の出た、かつてのスーパーヒーローの悲哀がにじむ前半と、ヒーローとしての生活を取り戻し、生き生きとしていく中盤の対比がいかにもといった感じで良いです。そしてクライマックスへと向かっていきます。

アイアン・ジャイアントと同じく、ストーリーにはそれほどひねりはなく、むしろお約束とも言える展開ですが、アメコミものならそれもOKでしょう。
新世代ヒーローである子供達も生き生きとしていますが、むしろ特筆すべきは超軟体能力を持つ奥さんでしょう。妻として、母親として、元ヒーローとしてりりしく、活躍はむしろ旦那を越えています。このあたりはIGのアニーといい、監督の趣味でしょう。

スーパーヒーロー能力の遺伝がDNA的なものではなく、本人の心の形態に依る「スタンド能力」っぽい現れ方なのが印象的。

しかしディズニーものなのに、なんだか人死にが多いなー。
さすがに直接描写はないですが、どう考えても死んでる状況が多数。時代も変わりましたねえ。


音楽はかつてのスパイもの、ヒーローものらしいブラスの効いたメロディでばっちり好みでした。サントラ購入済み。


だいすけ評価は8/10

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2004年12月01日

スカイキャプテン ワールドオブトゥモロー(ややネタバレ)レビュー

1939年。世界中で高名な科学者が次々と失踪するという事件が発生、時を同じくしてNYに巨大なロボット軍団が侵攻してくる。
警察の抵抗もむなしく町を破壊しながら進むロボットに、ついに空軍のエース、「スカイキャプテン」が緊急出動し、辛くも撃退に成功する。
科学者の失踪とは、ロボットの襲撃の目的と入った何か。
スカイキャプテンは事態の究明に乗り出す。


評判が微妙だったので、警戒して一人で見た来たんですが、予想以上によかったです。
何というか、古き良き空想科学冒険活劇、といった感じ。
全体がレトロフューチャーで満たされ、ガジェットのトンデモさやデザインなど、ペーパーバックの挿絵から抜け出てきたよう。飛んでくるロボット軍団に、みんなで指を指すなど、演出もベタ。だがそれが良い!
ロケ、セットなしで作ったオールCGの背景も、あら隠しのためかソフトフォーカスがかかっていて、それもまた雰囲気が出ていて良し。

ゲーム「クリムゾンスカイ」とか好きな人ならはまること間違いなし。DVD化が楽しみです。

だいすけ評価は9/10

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2004年10月18日

ドラムライン(ややネタバレ)レビュー

マーチングバンドのドラムの腕を買われ、特待生としてA&T大学に入学したデヴォン。
バンドでも天才的な腕を披露し、瞬く間にP1(レギュラー)の座を勝ち取っていく。しかし、天才ならではの傲慢さや独断専行の態度が監督やドラムリーダーの怒りを買い、ある日ついに重大な事件が起きる。

……ストーリーは言ってしまえば、天才の挫折と復活といった、よくあるスポ魂映画ですが、大学フットボールのハーフタイムに行われるマーチングバンド大会などの、全くなじみのない文化がすごく新鮮でした。アメフトといえば向こうでは花形ですが、それと共に文化系(といっても、すごい体力派ですが)の花形という感じで。
特に、最終対決の場で行われる、ドラムラインの決闘というのがすごく燃えます。マーチングバンドの決戦兵器、という感じ。

超絶技巧のスティック捌きも格好良かったです。

父親との確執、謎のKKKとかは掘り下げるかカットするかした方が良かったかも。ちと中途半端な印象。

だいすけ評価は8/10

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2004年10月15日

ミトン(ネタバレ)レビュー

各所の話題の「ミトン」を観てみました。

表題の「ミトン」の他、「ママ」「レター」の3本を収録。
1968?72年にソ連で制作された無声のストップモーションアニメで、監督はロマン・カチャーノフ。

登場キャラクターの細やかな仕草と、ファンタスティックなストーリーが魅力です。

「ミトン」は子犬を飼いたい少女が、自分のミトンを犬に見立てて遊んでいるうちに、ミトンが毛糸製の子犬に変身するというお話。
ほんの10分ほどの短いお話ですが、少女と子犬のかわいらしい動きと、ちょっと切ない感じのストーリーが心を引きつけます。

「ママ」は買い物に出かけたお母さんが、子供の無事を心配するあまり、いろいろな妄想を働かせる、というお話。最初それが全然分からなくて、すごい子供だと思ってたりしましたが(笑)。
「レター」は船乗りの父を待つ母と子供の話。

どの話も、現実の世界と想像の世界の境が曖昧で、どれも物語の中で起こったこととしても、どれも想像の世界としても見られる感じになってます。
なので、見ようによってはすごく病んだ世界にも見えるし、ちょっと見方を変えれば、すごく幻想的な話にも見えます。ミトンの終わりも、どう取るかによってかなり雰囲気変わりますし。

まあ、そういうのを抜きにしても、キャラクター達の演技を見ているだけでも充分楽しめます。ミトンと少女はもちろん、ママやレターのお母さんもラブリーでステキでした。
ほんの少しヤマムラアニメーションにも通じるところがあるかも。


残念なのはDVDの構成。全体で30分ほどとごく短い作りなのにもかかわらず、メニューは「オールプレイ」「チャプター」「予告」の3つしかなく、メイキングなどの特典は一切なし。タイトルやエンドクレジットもロシア語なのに字幕も出ないし。「レター」のタイトルは公式にいって初めて分かったのでした。


全体的に見ればすごく良かったです。暖かくて、ちょっと切ないロシアアニメ。いかがですか?

MITTEN OFFICIAL WEB SITE
http://www.mitten.jp/

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2004年10月08日

ヘルボーイ(ややネタバレ)レビュー

第2次大戦末。戦況の悪化したナチスは、禁断の黒魔術に手を出す。
宇宙の果てに封印された邪神を召喚しようとする試みは、アメリカ軍の手によって阻止される。しかし、長く開きすぎた魔界の門は、一匹の魔物の子を呼び寄せてしまう。
超常現象学者、ブルーム教授によって保護された真っ赤な赤ん坊は、ヘルボーイと名付けられ、人の子として育てられた。
そして現代。60才ながらも若々しい肉体を備えた大人に育ったヘルボーイは、ブルーム教授が設立した超常現象調査・防衛局のスタッフとして、アメリカを守る任務に就いていた……。

影の魔術師、マイク・ミニョーラによって描かれたゴシック・コミック、HELLBOYの実写映画化です。
あの世界観、ビジュアルの実写化ということで、かなりの不安要素を抱えていたのですが、なかなかそつなくまとまっています。さすがにあの絵のままという訳にはいきませんが、落ち着いたいい雰囲気にはなっているのではないでしょうか。

登場人物も、ナチスやロシアの怪僧ラスプーチン、半魚人やクトゥルー神話っぽい触手モンスターなど盛りだくさん。
個人的には憔悴して隈の浮いた表情(ミニョラっぽい!)のリズ・シャーマンやクールなナチスの女将校(武器はハンマー)がお気に入り。
肝心のヘルボーイですが、原作とはまた違った、恋に悩むウェットな性格のHBが見られます。髪型は何故かちょんまげ。映画見る前にスチールで見て、かなりの違和感があったんですが、実際に動いてみるとそれほど気になりませんでした。悪くないかも。

映像の方もなかなか頑張っていて、好感が持てます。斬新な絵ではないけれど、まあ模範的というか。


大傑作! という訳ではないですが、水準以上の良作とは言えるかも。
可能なら映画館で是非。悲しいくらいに空いていたので。是非。

だいすけ評価は8/10

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2004年10月07日

アトミック・カフェ(ネタバレ)レビュー

1940?50年のアメリカ政府、軍が作成したフィルム、当時の報道フィルムと音楽をもとに作成された編集ドキュメンタリー。
テーマはズバリ、核。

ヒロシマ、ナガサキから始まり、ビキニ諸島などの核実験、そして水爆実験と、それらに対するアメリカ国民の反応、報道の様子を当時のフィルムだけで構成、ナレーションも一切なしという作り。
まあ、もちろんそれで完全に公正な視点になっているかといえばそうではないけれど、少なくともある面の真実がそこに隠されているとは言えると思います。

戦争を早く終わらせるために神が与えた夢の新兵器、原爆。
その被害がつぶさに記録されたのにもかかわらず、それを知らされずはしゃぐアメリカ国民。
しかしそれも、冷戦の相手、ソ連が原爆を持つに至り、次第に不安へと変わっていきます。
より確実な手段としての効果が求められた原爆は、数々の実験が繰り返されます。ビキニ諸島での実験、豚を用いた生体効果実験、そして塹壕で爆風を避け、キノコ雲に向かって進軍する兵士達。今から考えれば悪夢のような光景が、フィルムという証人の力で克明に描写されていきます。

「熱、衝撃、放射能。この中で目新しいのは放射能だが、実はこれはもっとも大したことのない効果だ」説明を受ける兵士達。

つまりそれは、パラノイアと無知のなせる光景。
もちろん、一部の人間はその隠れた危険性を知っていたのでしょう。しかしそれは国民や兵士には知らされず、単なる強力爆弾程度の認識で受け入れられていきます。
「原爆が落ちてきたらどうする? 素早く伏せて、頭を隠そう!」
そんな教育映画が流れます(映画「アイアン・ジャイアントで流れる「ダック・アンド・カバー」という劇中劇と同じ形式です)。
そして街では「強力な」原爆にあやかって、アトミックソング、アトミックカクテル、アトミックカフェがメディアに登場していきます。

それらを今の私たちが笑うのはたやすいことです。実際、上映中にもあちこちから失笑が漏れていました。
しかし、私たちは本当に、すべてを知っているのでしょうか。与えられた情報を鵜呑みにして生きていくだけであれば、フィルムの中の、あっけらかんと核を享受する人々と変わらないのではないでしょうか。

スタッフロールに冷戦ポップスが流れたあと(君と僕の冷戦はもう終わりにしよう……)、そんな不安とショック胸に、映画館をあとにしたのでした。

アトミック・カフェ - THE ATOMIC CAFE -
http://www.takeshobo.co.jp/movie/atomic/
ユーロスペース
http://www.eurospace.co.jp/

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2004年09月11日

ジャッカルの日(ややネタバレ)

反政府組織から、フランス大統領ドゴールの暗殺を請け負った暗殺者、コードネーム『ジャッカル』。
彼がターゲットに迫っていく様と、姿のつかめない暗殺者を追うフランス警察との行き詰まる攻防を描く。

アクションもなく、盛り上げる音楽もなく、ひたすらジャッカルの周到な準備が描写されていきます。あまりの淡々とした展開に、最初の1時間は正直辛かったのですが、中盤以降は次第に犯人像に迫っていくフランス警察と、それをかわしていくジャッカルの動きで次第に引き込まれていきました。

ただまあ、あまりにもドライに両者を追っていくため、観客としてはどちらにも移入できなくて、ちょっと半端な印象も。それが味と言えば味なんですけど。
あと、ちょっと警察の手がかりの入手が運に頼ってるというか都合がいい感じなのも気になったり。

だいすけ評価は7/10。いい作品だとは思いますが、派手さはほぼ皆無。

投稿者 だいすけ : 03:15 | コメント (0) | トラックバック 映画・ビデオレビュー

2004年08月18日

マッチスティック・メン(ややネタバレ)レビュー

ニコラス・ケイジ主演、リドリー・スコット監督。
 
 
神経症(極度の潔癖性、広場恐怖症)をもつロイは、相棒のフランクとともに素人相手のけちな詐欺師。
そんな彼の前に、別れた妻の娘、アンジェラが現れ、彼の生活は劇的に代わっていく。
 
普通、詐欺師の前にずっと会ってなかった娘が現れると、足を洗ってまっとうに生きてみたりする物ですが、この映画だと娘もノリノリで詐欺に手を出すという、ちょっと変わったストーリーになっています。
娘と出会い、人生に張りが出たロイは、今まで手を出さなかったような大きなヤマに挑戦します。
 
結末は期待していた方向とはちょっと違った方向でまとめていたりして、ちょっと肩すかしを食ったりしましたが、それはそれで。
 
 
とりあえず、神経症持ちの詐欺師というパーツが、サタスペライクでステキ。異能と代償ですよ。
そして14歳のアンジェラ役、アリソン・ローマンが24歳と聞いてびっくり。女マイケル・J・フォックスですか!?
 
だいすけ評価は7/10。オチで-1。かなり主観(好き嫌い)入ってますが。よく出来てはいますよ。

投稿者 だいすけ : 23:55 | コメント (0) | トラックバック 映画・ビデオレビュー